JAJY128 September 2022 AM2634-Q1 , UCC14240-Q1 , UCC5870-Q1 , UCC5871-Q1 , UCC5880-Q1
トラクション・インバータの設計トレンドと、関連する半導体テクノロジーおよび部品について詳細に説明します。
![]() | 高性能、高効率、高信頼性のトラクション・インバータ・システムを実現する現在のトレンドを理解できます。 |
![]() | 電流センシング・フィードバック・ループが車両の速度と性能にかなりの影響を及ぼす理由を確認できます。 |
![]() | シリコン・カーバイド (SiC) MOSFET (金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ) および高電圧と、適切な部品との組み合わせによって、EV の運転体験が向上します。 |
トラクション・インバータは、バッテリのエネルギーを電力に変換してトルクと速度を制御します。これは、EV の航続距離、性能、運転体験に最も影響を及ぼします。トルクはモーターのサイズに比例し、電力はトルクと速度を発生させます。電力が一定の状態で、モーターのサイズとトルクを小さくするためには、速度を上げる必要があります。これは難しい課題です。特に、機械的または電気的な非理想性による損失など、設計上の非効率が存在すれば、部品のサイズは、通常、電力レベルやトルクに応じて大きくなるからです。したがって、モーターのサイズだけでなく、トラクション・インバータ自体の電気系も縮小することが重要になります。
電力レベルを維持したままで、駆動範囲を拡大し、モーターのサイズと重量を低減するには、トラクション・モーターを高速 (>30,000rpm) で動作させる必要があります。そのためには、高速なセンシングと処理、および DC から AC への効率的な電圧変換が必要です。これらの目標を達成するためのトラクション・インバータ設計のトレンドとして、高度な制御アルゴリズムの採用、出力段スイッチング・トランジスタへの SiC MOSFET 使用、高電圧 800V バッテリ使用、複数のサブシステム統合による高い電力密度の実現、などが挙げられます。