JAJA699 November 2020 LM61460-Q1 , LM63615-Q1 , LM63625-Q1 , LM63635-Q1 , LMR33620-Q1 , LMR33630-Q1
これまで記載のとおり、熱管理の最終目標は、デバイスの接合部温度を目的の制限値内に維持することです。接合部温度を推定するために重要なのは、θJA の良好な推定値を生成することです。利用可能なリソースに応じて、推定値を導き出す方法は複数存在します。良好な推定値を取得するための最良の方法は、高度な熱モデリング・プログラムを使用することです。これは、時間が掛かり、費用も掛かるかもしれない方法です。以下に概要を述べる方法は、精度は下がりますが、完全な熱解析を実行するより大幅に短時間で行うことができ、PCB / パッケージの組み合わせが目的通りに機能するかどうかについての十分な判断材料となります。熱計算の方法について一般的な検討事項の 1 つは、ヒートシンクとして動作する「効果的な」銅箔部分を決定することです。高密度実装の PCB では、レギュレータはシステム全体のわずかな部分であり、また、PCB の銅箔部分全体が電源のヒートシンクとしての動作には効果がないことは明白です。ここで以下のような疑問が生じます。「放熱を効果的に行うには、コンバータ / インダクタ周囲の銅箔部分の大きさをどれくらいにするのがよいか」。これに対する答えは、上記のサーマル・フットプリントに関係しており、あらかじめ経験上の判断を行うことが必要です。最初に、効果的な銅箔部分は、発熱する部品の面積の約 18 倍と概算できます。ただし、銅箔面を遮断するコネクタなどの部品は、熱の流れを妨げ、ヒートシンクの効果的な面積が減少する傾向があります。一方で、アルミ電解コンデンサなどの大型表面実装部品は、追加のヒートシンク素子として機能し、放熱性能が向上する傾向があります。後述の例は、これらの複数の検討事項を明確にするのに役立ちます。