JAJA784 December 2022 AMC1202 , AMC1302 , AMC1306M05 , AMC22C11 , AMC22C12 , AMC23C10 , AMC23C11 , AMC23C12 , AMC23C14 , AMC23C15 , AMC3302 , AMC3306M05
この章では、DC/DC コンバータのオフセット誤差について調べます。図 3-5 に示すセトリング時間のシミュレーションでは、同じ制御ループ設定、100kHz の電流センサ帯域幅、0% の電流センサのゲイン誤差を想定しています。オフセット誤差は 0%、1%、2% と変化させています。
この場合も、オフセット誤差はセトリング時間に影響されません。セトリングされた出力電流に大きく影響します。オフセット誤差が 1% の場合、電流出力は 1.5% または 0.3A 低くなります (オフセット誤差が 2% の場合、電流出力はそれぞれ 3% または 0.6A の誤差を示します)。
ゲイン誤差と同様に、オフセット誤差はフルスケール誤差に対して示されます。この例では、フルスケール電流は 32A でした。これは、1% の誤差の場合、絶対誤差が 0.3A であることを意味します (2% の場合、絶対誤差は 0.6A)。シミュレーションによると、この結果は正確です。
出力に対して比例するゲイン誤差とは異なり、オフセット誤差はコンバータに設定された出力電流に対して絶対値で加算されます。オフセット誤差は、較正されるか、フィードフォワード手法 (既知の誤差を出力に加算する) によって補償されます。
まとめると、ゲイン誤差とオフセット誤差はどちらも、電流センサが制御ループの帯域幅を制限しない程度に高い帯域幅を持つ限り、制御ループのセトリング時間に影響しません。ゲイン誤差とオフセット誤差の両方は、DC チャージャ出力の精度に影響します。表 1-1 に定義されている EV チャージャの目標仕様では、電流センサの帯域幅が 10kHz~100kHz で、(ゲインとオフセットの両方の) 合計誤差が 1% 未満である必要があります。こオフセット較正を使用して、目標を達成してください。