JAJA784 December 2022 AMC1202 , AMC1302 , AMC1306M05 , AMC22C11 , AMC22C12 , AMC23C10 , AMC23C11 , AMC23C12 , AMC23C14 , AMC23C15 , AMC3302 , AMC3306M05
図 2-14 に、一般的な電圧コントローラと発電所の等価モデルを示します。
図 2-14 に示すように、先に分析的に導き出した項 (式 8) を、電圧制御の性能をチェックするための外乱としてループに導入しました。制御ループ トポロジを観察することで、PI コントローラの積分部分があるからこそ、DC 外乱 (式 8) によって引き起こされる定常状態誤差が完全に除去されることがわかります。逆に、外乱の AC 成分は完全に除去できないため、電圧リップルが発生します。
AC 側で使用される電流センサの最大許容ゲイン誤差を評価するため、以下の条件を適用してシミュレーションを実行しました。
ゲイン誤差が異なるセンサを使用した AC/DC コンバータのシミュレーション結果を、図 2-15 に示します。
以下の結果を 図 2-15 に示します。
この例では、電圧制御ループの 400Hz 帯域幅と電流センサの 3.7% のゲイン誤差の組み合わせによって、ゲイン誤差のない理想的な電流センサの THD が 3% であるのに対し、THD は 3.3% になります。また、電圧制御ループの帯域幅が低いとグリッド側の THD は低下しますが、DC リンクのリップル電圧が許容できないレベルまで上昇する可能性があります。DC リンクに電圧リップルがあると、バッテリで許容できない電力リップルが発生する可能性があります。さらに、電圧制御ループの帯域幅が低いと、負荷ステップ応答が悪くなります。
結論として、スイッチング ノードに 3.7% のゲイン誤差を持つ電流センサを配置すると、グリッド電流 THD が 10% 以上増加する可能性があります。この増加を補償するため、コンバータのグリッド側で < 3% THD という設計目標を達成するためには、入力フィルタの体積を 4% 以上増やす必要があります。