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  • 人工衛星向け電源システムを進歩させるための主な検討事項 - 電源 IC

    • JAJT265 june   2023 TPS7H5001-SP , TPS7H5002-SP , TPS7H5003-SP , TPS7H5004-SP , TPS7H5005-SEP , TPS7H5006-SEP , TPS7H5007-SEP , TPS7H5008-SEP

       

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    2.     システム効率を重視した放熱管理
    3.     ミッション・プロファイルの放射線要件
    4.     まとめ
    5.     参考情報
  3. 重要なお知らせ
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Technical Article

人工衛星向け電源システムを進歩させるための主な検討事項 - 電源 IC

このリソースの元の言語は英語です。 翻訳は概要を便宜的に提供するもので、自動化ツール (機械翻訳) を使用していることがあり、TI では翻訳の正確性および妥当性につきましては一切保証いたしません。 実際の設計などの前には、ti.com で必ず最新の英語版をご参照くださいますようお願いいたします。

Yurina O.

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人工衛星向け電源の設計は、複雑なトレードオフが伴います。商用アプリケーションに比べ設計に関係する変数が多く、使用できる半導体オプションの数が非常に少ないからです。万が一、故障した場合に修理できる可能性はほとんどないため、人工衛星の主電源は特に重要です。宇宙グレードの高性能 FPGA (フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ) の進歩に伴い、人工衛星は現在、ローカルの計算能力が大幅に向上していますが、同時に全体の電力需要も増加を続けています。

人工衛星向けの電源システム (EPS) を開発する場合、特に重要な 2 つのトレードオフは、全体的な放熱設計と、ミッション・プロファイルの放射線要件です。

システム効率を重視した放熱管理

スイッチ・モード電源 (SMPS) の効率を決定しようとする際、部品の選定、トポロジの選択、スイッチング周波数はいずれも重要な要因です。システムの熱負荷は、電源の効率および人工衛星全体での電力損失の放散に対して直接の相関関係を持ちます。

人工衛星向けの EPS では、システムの発電用ソーラー・アレイから受け取った電圧 (一般的に 100V ±50%) をバッテリ・ストレージ部分に合わせて降圧し (一般的に 28V ±20%)、次いで人工衛星のペイロード・カードに適した低ノイズのポイント・オブ・ロード電源電圧 (5V 未満) に再度降圧する必要があります。ペイロード・カードとは、シングル・ボード・コンピュータ、計測/通信用カード、レーダ/通信用カードなどです。これらの各変換段で、できる限り高い効率を達成することが、電力損失の低減に役立ちます。宇宙空間での電力損失がシステム全体や重量に対して与える影響は、通常のアプリケーションの場合よりもずっと大きくなります。

効率を向上させる 1 つの手法は、同期整流器を使用することです。この場合、従来のパワー・ダイオードをゲート制御トランジスタで置き換え、電源パスの導通損失を大幅に低減することができます。ダイオードでは多くの場合、その順方向特性により、オン状態時の電圧降下が大きくなります。最新の SMPS 設計が意図している大電流の取り扱いに適したダイオードの場合は特に顕著です。一方、同期整流トランジスタは通常、オン抵抗の小さい電界効果トランジスタ(FET) であり、同じ電流レベルでも導通損失を大幅に低減できます。

人工衛星向け EPS の設計で、パルス幅変調(PWM) 制御をベースとするアーキテクチャを採用すると、その優れた柔軟性により、多様な電源トポロジを最高の効率レベルでサポートできます。放射線強化 PWM コントローラ・ファミリである TPS7H5001-SPと、耐放射線特性 PWM コントローラ・ファミリである TPS7H5005-SEPはどちらも、同期整流、構成可能なデッドタイム、その他の統合機能をサポートしているので、設計者は、より小型でより効率の良い絶縁型または非絶縁型電源を製作できます。</100>デューティ・サイクル制限を 50%、75%、100% のいずれかに調整できるため、設計者は単一のコントローラを DC/DC コンバータの複数のトポロジで使用することができます。また、同期整流出力を複数内蔵しているので、外部回路を追加せずに、各トポロジの完全同期バージョンを実現でき、全体的なシステム・サイズに関して利点となります。構成可能なデッドタイムは、特に窒化ガリウム(GaN) パワー半導体をベースとする設計で、パワー・コンバータの効率最適化に役立ちます。調整可能なリーディング・エッジ・ブランク時間を活用すると、コンバータ固有の寄生インダクタンスや寄生容量、さらにはプリント基板やパワー・モジュールのサブストレートが示す同様の寄生成分に基づいて、コントローラの内部電流センス機能を構成することができます。

表 1 で、さまざまなデバイスを比較します。

表 1 TPS7H5001-SP と TPS7H5005-SEP の各 PWM コントローラ・ファミリの比較
特長 TPS7H5001-SP TPS7H5005-SEP TPS7H5002-SP TPS7H5006-SEP TPS7H5003-SP TPS7H5007-SEP TPS7H5004-SP TPS7H5008-SEP
プライマリ出力構成 デュアル シングル シングル デュアル
同期整流出力構成 デュアル シングル シングル N/A
サポートしているデューティ・サイクル制限 100%, 75%, 50% 100%, 75% 100%, 75% 50%
出力デッドタイムのプログラマビリティ の設定は可能か はい はい いいえ。50ns に固定 いいえ
リーディング・エッジ・ブランク時間のサポート はい はい いいえ。50ns に固定 はい
GaN FET と Si MOSFET のどちらがターゲットか GaN FET または Si MOSFET GaN FET Si MOSFET GaN FET またはSi MOSFET
トポロジ 昇圧、降圧 はい はい はい いいえ
フライバック はい はい はい いいえ
フォワードとアクティブ・クランプ はい はい はい いいえ
プッシュプル はい いいえ いいえ はい
ハーフブリッジとフルブリッジ はい いいえ いいえ はい

ミッション・プロファイルの放射線要件

すべてのフライト・ハードウェア (航空と宇宙向けのハードウェア) を取り扱う際に、人工衛星の軌道と、その予期される放射線被ばくについて理解する必要があるので、人工衛星向けデバイスの選定時には、ミッションの放射線要件を確認することが必須です。

人工衛星の電子機器は、軌道にとどまっている間、放射線による以下の 3 種類の効果にさらされます。

  • トータル・ドーズ効果 (Total ionizing dose:TID)とは、長期間にわたる放射線被ばくの累積線量のことです。長期間にわたる放射線被ばくが原因で、半導体デバイス中の酸化物に固定電荷が生じることがあります。これはデバイス内のパラメータ変化につながり、最終的には機能の故障に至ります。
  • シングル・イベント効果 (Single-event effects:SEE) は、テスト対象デバイスに対して重イオンが及ぼす効果を測定します。高エネルギーのイオンが衝突すると、電子とホール (正孔) のペアが生成されることがあります。これらのペアは、シングル・イベント過渡 (Single-event transient:SET) またはシングル・イベント機能割り込み (Single-event functional interrupt:SEFI) のような非破壊的事象につながります。このようなイオン衝突は、シングル・イベント・ラッチアップ (Single-event latch-up:SEL)、シングル・イベント焼損 (Single-event burnout:SEB)、シングル・イベント・ゲート破壊 (Single-event gate rupture:SEGR) のような破壊的効果をもたらすこともあります。
  • はじき出し損傷効果 (Displacement damage dose:DDD)は、累積線量被ばくに起因する別の種類の効果であり、複数回のイオン衝突がデバイスの結晶構造に及ぼす損傷を評価します。宇宙空間では通常は陽子がはじき出し損傷の主因であるのに対し、中性子はじき出し損傷 (Neutron displacement damage:NDD) 試験では中性子を使用します。陽子はすでに説明した TID 効果ももたらすため、中性子を使用することで、はじき出し損傷を TID 効果と分離できます。

この種の放射線にさらされたときに、部品がどのような挙動を示すのか検証することは、電源内に配置する部品の場合には特に重要です。TPS7H5001-SP デバイス・ファミリには、最大 100krad(Si) の TID 放射線レポートと、最大 1 × 1013個の中性子 (1cm2あたり) を使用する NDD レポートが付属しているので、自動試験機器のテスト・ベクタを使用した放射線被ばく後試験にデバイスが合格できるようになります。デバイス・メーカーはこの放射線被ばく後試験を使用して、土台となるデータシートの制限値を保証できます。TPS7H5001-SP の SEE 試験の場合、SEL、SEB、SEGR を対象とする破壊的 SEE 試験から、線エネルギー付与 (LET) 換算で耐性が 75MeV-cm2/mg に等しく、SET と SEFI でも LET 特性が 75MeV-cm2/mg に等しいことを確認できます。

TPS7H5005-SEP デバイス・ファミリには、最大 50krad(Si) の TID 放射線レポートと、最大 1 × 10個の中性子 (1cm2 あたり) を使用する NDD レポートが付属しています。SEL、SEB、SEGR を対象とする破壊的 SEE 試験から、線エネルギー付与 (LET) 換算で耐性が 43MeV-cm2/mg に等しく、SET と SEFI でも LET 特性が 43MeV-cm2/mg に等しいことを確認できます。

まとめ

現在の小型人工衛星で最新の高性能コンピューティング・ソリューションをサポートするには、システムの放熱設計に関する課題にかなりの注意を払う必要があります。TPS7H5001-SP と TPS7H5005-SEP はいずれも新しい PWM コントローラ・ファミリであり、設計者が最大の電力効率と設計のフレキシビリティを実現するのに役立ちます。常に存在する放射線の要件に対処できるように、これら 2 つのデバイス・ファミリには、TID、SEE、NDD に関する詳細な放射線レポートが付属しています。これらのレポートは、これらの製品が地球低軌道 (LEO)、地球中軌道 (MEO)、静止軌道など、さまざまな種類の軌道やミッションをどのようにサポートできるかを示しています。

参考情報

以下の放射線レポート(英語)をご確認ください。

  • TPS7H5001-SP Total Ionizing Dose (TID)
  • TPS7H5001-SP, TPS7H5002-SP,TPS7H5003-SP and TPS7H5004-SP Single-Event Effects (SEE)
  • TPS7H5005-SEP Total Ionizing Dose (TID)
  • TPS7H500X-SEP Single-Event Effects (SEE)

(TPS7H5005-SEP フライバック・コンバータ・カリキュレータ) をダウンロード

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