JAJT335 July 2024 TPSM64406 , TPSM81033 , TPSM82813 , TPSM82816 , TPSM828303 , TPSM82866A , TPSM82866C , TPSM83102 , UCC33411-Q1
Christine Chacko、Rahil Ajani
システムの電力段を設計する際に、電源からの電圧をレギュレートするためには、低ドロップアウト レギュレータ (LDO) やスイッチング レギュレータなど、さまざまなデバイスの中から選択できます。スイッチング レギュレータは、システムがある特定の周囲温度を上回ることなく効率を維持する必要がある場合に適していますが、パワー モジュールは、スイッチング レギュレータ パッケージの中に必要なインダクタまたはトランスを内蔵することでさらに一歩進んでいます。
パワー モジュールにはさまざまな形態があります。組込みマイクロ システムインパッケージ (µSiP)、リード付き、クワッド フラット ノー リード (QFN)、あるいは、テキサス・インスツルメンツの新しい MagPack™ パッケージング テクノロジーなどがあります。これらのパッケージ タイプのそれぞれには、効率、放熱、電磁適合性、ソリューション サイズなどの性能特性を最適化する仕様があります。この記事では、各パッケージ タイプのいくつかの特長と、それらが満たすアプリケーション要件に注目します。
µSiP パッケージを採用したモジュールは、コンバータ IC が基板内部に組み込まれており、上部には 1 個のインダクタと数個の受動部品が実装されています。コンバータ IC の基板への組込みでは余分なスペースを占有しないため、μSiP パッケージのモジュールは、基板面積に制限のあるアプリケーションに役立ちます。図 1 に示すように、TPSM83100 は、バックアップ ソリューション向けに双方向電流動作モードを提供する 5.5V、1W の昇降圧モジュールであり、2.5mm x 2.0mm x 1.2mm の μSiP パッケージに収容されています。
リード付きパッケージには、2 個の銅リードフレームの間に 1 個の IC があり、その上に受動部品が配置されています。これらのパッケージは、電源設計者の皆様が一般的に使用しているものであり、レイアウトがより直感的になります。目に見えるリードがパッケージの障害耐性を高めています。これにより、半田付けの完全性が高く、デバッグが容易になります。このタイプのパッケージは、約 8mm の沿面距離があれば信頼性を確保できます。
QFN モジュールは、リードの代わりにフラット パッドを使用して基板に接続するパッケージの総称です。QFN モジュールは、高い電力密度と強力な性能を備えているため、多くのアプリケーションに適した包括的な選択肢となります。QFN モジュール ファミリには、PCB 基板上のオープンフレーム モジュールと、リードフレーム上のオーバーモールド モジュールという、2 つの一般的なパッケージ構成があります。
オーバーモールド QFN パッケージは、従来型の銅リードフレーム テクノロジーを使用した、熱的に強化されたプラスチック パッケージです。図 2 に示すように、TPSM64406 などのテキサス・インスツルメンツの最新オーバー モールド QFN モジュールでは、IC と受動部品をリードフレームの上に直接配置することで、従来のリード付きパッケージよりも電気的および熱的性能が向上します。この 36V モジュールは、デュアル 3A またはシングルのスタック可能 6A の出力を供給し、ノイズに敏感なアプリケーションに最適な対称型高周波入力バイパス コンデンサを搭載しています。
オープンフレーム QFN モジュールは、スイッチング部品と受動部品を PCB 基板上に統合しており、プラスチック ケース内でそれらをオーバーモールドすることはありません。このステップを省略することにより、露出したインダクタにヒートシンクを直接追加できるため、放熱特性が改善されます。オープンフレーム パッケージはサイズの制約が少なく、過熱の影響も小さいので、他のモジュール パッケージよりも高い出力電流定格を備えており、エンタープライズ コンピューティングなど消費電力の多いアプリケーションに有益です。
MagPack パッケージング テクノロジーは、テキサス・インスツルメンツの最新のパワー モジュール パッケージ タイプです。これらのモジュールは、テキサス・インスツルメンツ独自の統合型磁気パッケージ技術を活用しており、サード パーティーのインダクタを必要としません。TPSM82816 などのこれらのモジュールは、前世代よりも電力密度が高いことに加えて、熱伝導率が高く、電磁干渉が少ないことも特長です。MagPack テクノロジーの詳細については、技術資料『MagPack™ テクノロジー:より小規模なスペースで、より多くの電力を供給するのに役立つ、新しいパワー モジュールの 4 つの利点』をご覧ください。
パワー モジュールは、電源設計者にとって優れた選択肢であり、ディスクリート ソリューションや LDO に比べて、多数の性能機能を備えています。これらのパッケージには複数の種類があり、アプリケーションの要件に基づいて最適化が可能です。
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