JAJA690H January 2015 – April 2024 DLP160AP , DLP160CP , DLP2000 , DLP2010 , DLP230NP , DLP3010 , DLP3310 , DLP470NE , DLP470TE , DLP4710 , DLP471NE , DLP471TE , DLP471TP , DLP480RE , DLP550HE , DLP550JE , DLP650LE , DLP650NE , DLP650TE , DLP651NE , DLP660TE , DLP670RE , DLP780NE , DLP780TE , DLP781NE , DLP781TE , DLP800RE , DLP801RE , DLP801XE , DLPA1000 , DLPA2000 , DLPA2005 , DLPA3000 , DLPA3005 , DLPC2607 , DLPC3420 , DLPC3421 , DLPC3430 , DLPC3433 , DLPC3435 , DLPC3438 , DLPC3439 , DLPC6401 , DLPC6540
表 11-1 に、表示と投影に関する一般的な用語を示します。
用語 | 説明 |
---|---|
輝度 | 輝度とは、与えられた場面で人の目が認識する光の量です。輝度は、光の量 (光子の数)、色スペクトル上の光の分布 (光子エネルギー)、可視スペクトル上での人の目の感度の変化 (黄緑色の領域で感度が最も高く、青色と赤色の領域では感度が低い) の関数です。国際単位系 (SI) は輝度の測定単位としてルーメンを定めています。 |
ルーメン | DLP プロジェクタは、その投影画像で表示できるルーメン数でしばしば規定されます。輝度 (ルーメン) は、そのプロジェクタが表示でき、かつ特定の周囲光環境で依然として見える画面の大きさを決定します。輝度が高ければ高いほど、より大きな表示画像を表示できます。DLP ディスプレイ・テクノロジーを利用した最終製品は、スマートフォンとタブレットの 20~30 ルーメンからデジタル映写機の 50,000 ルーメン超まで多岐にわたります。 |
コントラスト | 表示画像の品質は、表示された画像の最も明るい領域と最も暗い領域の輝度の差に大きく影響されます。これはコントラスト比で定量化されます。コントラスト比とは、画像の最も暗い領域の輝度に対する最も明るい領域の輝度の比です。DLP システムのコントラスト比の仕様はシステム性能に基づいていますが、視聴体験は周囲光によっても大きく影響される場合があります。画面上の周囲光量が大きいほど、画像の画面上のコントラスト比は下がります。システムのコントラスト比と周囲光とが組み合わさって、画像の真の画面上のコントラスト比が決まります。コントラスト比を最大限に高めるには、光学設計と、光学モジュールで使われる光学素子の品質に特に注意を払う必要があります。 |
解像度 | ある画像で得られる詳細さのレベル (詳細度) は、表示画像を構成するピクセル数で決まります。DLP システムの場合、詳細度は DMD のミラーの数の関数であり、各ミラーが表示画像の 1 つ以上のピクセルを表現できます。解像度とは、表示可能なピクセルの数です。表示される詳細度は、プロジェクタ・システムの解像度に依存するだけでなく、ソース・コンテンツの解像度にも依存します。ソース・コンテンツの解像度がプロジェクタ・システムの解像度と一致しない場合、最大限の解像度で表示されるようにコントローラがソース・コンテンツを割り当てます。DLP ディスプレイの解像度は 640 × 360 (nHD) から 3840 × 2160 (4K UHD) まで多岐にわたります。 |
キーストーン | 投影システムの光学軸が画面に垂直でない場合、画像は幾何学的に歪んで表示されます。画面の上部までの距離と下部までの距離が異なることで生じるこれらの歪みの 1 つをキーストーン歪みと呼びます。得られた画像は上と下で異なる幅を持っており、建築用のキーストーン (アーチの上部に使用される) の形をしています。この歪みは、画面に対して投影軸を垂直に保つことで回避できます。しかし、キーストーン歪みが避けられない場合もあります。キーストーン歪みは、光学的に (非常に困難、非常に高コスト、調整不可能) または画像処理によって補正できます。DLP コントローラは、画面上で長方形になるように画像を生成する方法で、入力画像を DMD アレイに割り当て直すことでキーストーン補正を行います。キーストーン補正機能は、プロジェクタが上下に傾いた際に画像が自動的に調整されるように一般にシステム内の加速度計と組み合わせて使用されます。 |
カラー・シーケンシャル・ディスプレイ | DLP DMD はマイクロミラーで構成されています。これらは、照射された光を反射するのみです。では、DMD チップはどのようにしてフル・カラー画像を再現できるのでしょうか。その秘密は人の目の働き方にあります。人の網膜と脳は、3 種類の網膜錐体 (赤感受性、緑感受性、青感受性) に作用する光の量に対する短期時間平均された差動応答によって知覚色を合成します。目は、網膜を刺激する光を約 1/50 秒の期間にわたって連続的に平均化するため、視聴者がフル・カラー画像の印象を受け取るように、赤色、緑色、青色の画像を使って十分な速度で目に順次光を当てることが可能です。これは、たとえば、赤色の画像、次に緑色の画像、次に青色の画像を表示するというように R、G、B の光源を順にオン / オフすることで、DLP 光学モジュールを使って達成されます。 |
フロント・プロジェクション / リア・プロジェクションとスクリーン | DLP ディスプレイ・システムは、光学システムを使用して、DMD に表示されるピクセル・パターンの実際の画像を生成します。投影画像が視聴者に見えるには、画像焦点面と同じ位置にある面で光が散乱される必要があります。この機能はスクリーンによって提供されます。このスクリーンには、特に最適化された材質のシート、または単純に壁、床、テーブルの天板が使えます。滑らかで明るい色の表面はすべて良好な画像を表示できます。フロント・プロジェクション・システムの場合、スクリーンは反射面である必要があります。リア・プロジェクション・システムには、半透明の分散型スクリーンが必要です。どちらの場合も、投射画像を見るために視聴者はスクリーン上に目の焦点を合わせます。仮想的な画像を生成することで機能するディスプレイ・システムもあります。たとえば、ニア・アイ・ディスプレイとヘッドアップ・ディスプレイは、光が目を通って網膜に達した後にのみ結像する画像を生成します。 |
オフセット | 多くの DLP プロジェクタでは、水平面より上に画像をシフトさせるために、投影レンズの光軸より下にオフセットを付けて DMD を配置しています。これは、プロジェクタをテーブル上に設置する場合に、投影画像の下部が切れないようにするのに便利です。このオフセットは、プロジェクタを上に傾けただけで生じる画像の歪みも防止できます。 |
投射比 | 多くの投影アプリケーションにおいて、表示スクリーンに対するプロジェクタの配置は重要です。プロジェクタの投射比によって、特定のスクリーン・サイズを実現するためにプロジェクタを配置すべき位置までの距離が決まります。レンズからスクリーンの中心までの距離 (D) に対する投影画像の幅 (W) が投射比 (T) です。 投射比に関する一般的な参照:標準焦点:投射比 > 1、短焦点 (ST):1 > 投射比 > 0.4、超短焦点 (UST):投射比 < 0.4。 |
F 値 | 投影画像の相対輝度は、照明システムの輝度とレンズの開口径の両方の関数です。つまり、レンズの焦点距離 (f) (投影画像のサイズを決定します) に対するレンズの開口径 (D) です。これは、F 値 (N) と呼ぶ値として表現されます。N = ƒ/D。2 つのレンズの相対輝度 (rb) は、それぞれの F 値の逆比の 2 乗です。rb = (N2/N1)2。たとえば、N1 = 2 のレンズは N2 = 4 のレンズよりも 4 倍明るいです。F 値は、輝度と体積 (寸法) との間のトレードオフとして系に影響を与えます。 F 値が大きい (N = 2.4) 系は薄型ですが、F 値が小さい (N = 1.7) 系と比較して、そのエテンデュに応じて輝度を犠牲にしている可能性があります (一般に LED の系に当てはまります)。 |
DLP チップセットの命名規則 | DLP チップセットは、アクティブ・アレイの対角、解像度、ポートフォリオによって通常以下のように参照されます。 [アレイ対角 (インチ)] [解像度] DLP [標準または Pico] チップセット 例: .47 1080p DLP Pico チップセットは、1080p のスクリーン上の解像度をサポートする 0.47 インチの対角アクティブ・アレイを採用した DLP Pico チップセットを指します。 表 4-1 に、DLP チップセットの DMD、DLP ディスプレイ・コントローラ、DLP PMIC の部品番号の命名規則の概要を示します。 |