JAJA792B February   2019  – June 2024 AMC1035 , AMC1035-Q1 , AMC1100 , AMC1106E05 , AMC1106M05 , AMC1200 , AMC1200-Q1 , AMC1203 , AMC1204 , AMC1204-Q1 , AMC1210 , AMC1211-Q1 , AMC1300 , AMC1300B-Q1 , AMC1301-Q1 , AMC1302 , AMC1302-Q1 , AMC1303E0510 , AMC1303E0520 , AMC1303E2510 , AMC1303E2520 , AMC1303M0510 , AMC1303M0520 , AMC1303M2510 , AMC1303M2520 , AMC1304L05 , AMC1304L05-Q1 , AMC1304L25 , AMC1304L25-Q1 , AMC1304M05 , AMC1304M05-Q1 , AMC1304M25 , AMC1304M25-Q1 , AMC1305L25 , AMC1305L25-Q1 , AMC1305M05 , AMC1305M05-Q1 , AMC1305M25 , AMC1305M25-Q1 , AMC1306E05 , AMC1306E25 , AMC1306M05 , AMC1306M25 , AMC1311 , AMC1311-Q1 , AMC1336 , AMC1336-Q1 , AMC1411 , AMC3301 , AMC3301-Q1 , AMC3302 , AMC3302-Q1 , AMC3306M05 , AMC3306M25 , AMC3330 , AMC3330-Q1 , AMC3336 , AMC3336-Q1 , ISO121 , ISO122 , ISO124 , ISO224

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1絶縁型アンプの概要
  5. 2絶縁型変調器の概要
  6. 3絶縁型アンプと絶縁型変調器の性能比較
  7. 4トラクション インバータにおける絶縁型変調器
  8. 5推奨する絶縁型アンプおよび変調器
  9. 6まとめ
  10. 7改訂履歴

絶縁型アンプと絶縁型変調器の性能比較

表 3-1 に、絶縁型アンプと絶縁型変調器の性能の基本的な違いを示します。

表 3-1 絶縁型アンプと絶縁型変調器の性能比較
カテゴリ絶縁型アンプ絶縁型変調器
サンプル分解能11 ビット (帯域幅 = 100kHz)> 14 ビット達成可能、
分解能と帯域幅またはレイテンシの間のトレードオフ
レイテンシ2µs~3µs (固定)< 1µs 達成可能、
分解能と帯域幅またはレイテンシの間のトレードオフ
帯域幅最大 300 kHz> 1 MHz 達成可能、
分解能と帯域幅またはレイテンシの間のトレードオフ
精度およびドリフト性能高い非常に高い
必要な部品数多い少ない

絶縁型アンプ ベースの設計では、測定されたアナログ信号に対して、A/D 変換と D/A 変換を数回実行します。絶縁型アンプ、差動からシングルエンドへの変換段、およびマイコンまたは DSP の外部または内部の ADC によって、全体的な精度とノイズ性能が低下し、レイテンシが増加します。絶縁型アンプの出力段に固定ローパス フィルタを実装すると、信号帯域幅が制限されます。差動からシングルエンドへの変換のために外部オペアンプ ベースの回路を使用して、アクティブ ローパス フィルタを形成すれば、信号帯域幅をさらに制限して、ノイズ性能を向上させることができます。絶縁型アンプは、固定のレイテンシを備えています。絶縁型アンプ ベースの設計は、使い慣れていて比較的容易に実装できるので、広く使用されています。

図 2-1に示すように、絶縁型変調器ベースの設計では、測定されたアナログ信号に対して A/D 変換を 1 回実行するだけです。この設計では、差動からシングルエンドへの変換段が不要になるため、部品数と設計サイズを削減できます。絶縁型アンプ ベースの設計では ADC が使用されており、多くの状況で実現可能な最大のサンプル分解能と精度が制限されますが、ここでは ADC は不要になります。この絶縁型変調器ベースのアプローチであれば、信号ノイズ性能と全体的な精度が向上し、絶縁型アンプ ベースの設計に比べて、大きい信号帯域幅と小さいレイテンシを実現できます。絶縁型変調器は、通常は 最大20MHz のはるかに高速なデジタル ビットストリーム出力を提供します。マイクロコントローラ ファミリ (たとえば、TMS320F2807xTMS320F2837x ) に内蔵されているシグマ - デルタ フィルタ モジュール (SDFM) を使用すると、ノイズ性能、信号帯域幅、レイテンシを簡単に調整できます。表 3-2 に示すように、より高いオーバーサンプリング率 (OSR) を実装すると、精度は向上し、サンプル分解能は向上しますが、信号帯域幅は小さく、レイテンシも大きくなります。同様に、OSR を小さくすると、精度とサンプル分解能が低下しますが、帯域幅が増加し、レイテンシが短縮されます。類似の DSP や FPGA でも、このようなデジタル フィルタを実装できます。

表 3-2 sinc3 フィルタを使用した、CLKIN = 20MHz での AMC1306 の ENOB とセトリング、レイテンシ、または帯域幅との性能のトレードオフ
OSRENOB (ビット)セトリング(µs)レイテンシ (µs)帯域幅 (kHz)
84.651.20.61250
167.572.41.2625
3210.024.82.4312.5
6412.39.64.8156.25
12813.5119.29.678.13
25614.1138.419.239.06
51214.3976.838.419.53

さらに、図 3-1 に示すように、複数のデジタル フィルタを並列実装することで、高いサンプル分解能、小さいレイテンシ、大きい帯域幅をすべて同時に実現できます。デジタル フィルタの 1 つはノイズ性能を向上させるために高 OSR デジタル フィルタを実装でき、もう 1 つは低レイテンシのデジタル フィルタを実装できます。

AMC1301-Q1 AMC1302-Q1 AMC1304-Q1 AMC1305-Q1 AMC1311-Q1 2 つのデジタル フィルタの並列実装図 3-1 2 つのデジタル フィルタの並列実装

絶縁型変調器ベースの設計にはシステム上の利点があるため、高性能システムでは絶縁型変調器ベースの設計に移行する傾向があります。