JAJY123C January 2021 – February 2024 AMC1300 , AMC1302 , AMC1302-Q1 , AMC1305M25-Q1 , AMC1311 , AMC1311-Q1 , AMC131M03-Q1 , AMC1336 , AMC1336-Q1 , AMC1350 , AMC1411 , AMC3301 , AMC3301-Q1 , AMC3330 , AMC3330-Q1 , AMC3336 , AMC3336-Q1 , ISOW1044 , ISOW1412 , ISOW7741 , ISOW7840 , ISOW7841 , ISOW7841A-Q1 , ISOW7842 , ISOW7843 , ISOW7844 , UCC12040 , UCC12041-Q1 , UCC12050 , UCC12051-Q1 , UCC14240-Q1 , UCC21222-Q1 , UCC21530-Q1 , UCC21540 , UCC21710-Q1 , UCC21750-Q1 , UCC23513 , UCC25800-Q1 , UCC5870-Q1
静電容量式アイソレータは低電圧アナログ信号伝達、デジタル信号伝送、限定された電力伝送アプリケーション (100µW 未満) で広く使用されていますが、高周波 DC/DC 電力変換を必要とするアプリケーションでは統合型 IC 磁気式絶縁が有利です。IC トランス結合絶縁の 1 つの利点は、数百 mW を上回る電力を伝送できることであり、これによりほとんどのアプリケーションで 2 次側のバイアス電源が不要になります。磁気式絶縁を使って高周波信号を送ることも可能です。電力とデータの両方を送る必要があるシステムでは、同じトランスのコイルを電力と信号のために使用できます (図 8 を参照)。
TI は独自のマルチチップ・モジュール手法を採用することで、磁気式絶縁に対応し、高性能の平面トランスを絶縁型電力段および専用コントローラ・ダイとともに 1 パッケージに収容しています。TI は、これらのトランスを高性能フェライト・コアと空芯のどちらかを使って構成できます。結合および変換効率を向上させるにはフェライト・コアが適しており、アプリケーションがわずかな電力伝送のみを必要とする場合にコストと複雑さを低減するには空芯が適しています。
図 9 は、非常に優れた熱性能を達成しながら低放射妨害波と高効率を実現するために、専用の制御機能、クロック供給方式、高 Q 内蔵平面型トランスを使ったデュアル・ダイ・マルチチップ・モジュールの一例です。このトランス・トポロジーは、TI 独自の薄膜ポリマー・ラミネート積層体を絶縁バリアとして使用しながら、オプションで上下のフェライト・プレートを使用することができます。図 9 に示すトランスの構成は、互いに平行な 2 枚のフェライト・プレートで挟み込んだポリマー積層体の内側にトランス巻線を封じ込めた例を示しています。
多くのアプリケーションでは、絶縁バリア越しに伝送する必要がある電力の量はわずか (100mW 未満) です。このようなアプリケーションのために、TI は高性能空芯トランスを作成するための技術を開発しました。TI の空芯トランスは、図 9 に示す技術と似ていますが、フェライト・プレートは使いません。
TI のトランス (空芯、フェライト・プレート) はすべて、放射 EMI 性能を高めるためにシールド手法を採用しています。パッケージ・レベルの EMI 低減手法を採用することで、伝導および放射妨害波規格の制限を満たすための基板レベルのフィルタリングの追加の必要性を減らしています。
あらゆるアプリケーションにとって最適な単一の絶縁ソリューション、というものは存在しません。したがって、さまざまなパラメータと仕様を理解すると同時に、さまざまなトレードオフの間でバランスを取る必要があります。
絶縁に関する重要なパラメータ、認定、デバイスの種類ごとの設計および問題解決方法については、『TI プレシジョン・ラボ:アイソレーション』トレーニング・シリーズをご覧ください。